ネバネバ生まれのフコイダンとは
和食に見られる粘り気のある食べ物には、体に良いイメージがあるものです。
そのひとつである納豆は必須アミノ酸がバランスよく含まれており、フラクタンと共に粘りの元となっているグルタミン酸はうまみ成分として知られています。
昆布やもずくといった海藻にも粘り気があり、古くは髪に良いと広まっていましたが、実はこの粘り気の成分は非常に多くの効果をもたらす物質であることが分かってきています。
昆布やわかめのような海藻は褐藻類に含まれており、褐藻類の粘り成分はフコイダンと呼ばれるものです。
これは液体を凝固させる添加物のペクチンにも含まれているフコースが硫酸基で大量に結合した物質で、水溶性食物繊維の一種です。
フコイダンは褐藻類に含まれる水溶性食物繊維で、トマトやニンジンに含まれる赤い色素であるカロテノイドの一種であるフコキサンチンを含有していることから、水溶性食物繊維の持つ血中コレステロール値の低下や高血圧予防といった効果と同時に、高い抗酸化作用を持っています。
さらに悪性腫瘍に対する効果が研究されているなど、数多くの研究がなされており、健康食品やサプリメントとして流通もしています。
しかし、フコイダンは硫酸基とフコースの結合が離れてしまうと本来の効果が失われる可能性があり、化粧品によくみられる低分子化が必ずしも良いとは言い切れない物です。
健康維持にこの成分を取り入れるのであれば、必ずしも低分子にこだわる必要は無いでしょう。